日常生活にて 第9回:言葉は、固定するためではない

何かを感じたとき、
人はそれを言葉にしようとする。

うまく言えた気がすると、少し安心する。

理解できたような気がするからだ。

でも、そのあと、少しだけ違和感が残る。

本当に、これでよかったのだろうか。

言葉にした瞬間、
何かがこぼれ落ちている気がする。

HARMONEERでは、こう考える。

言葉は、正確に伝えるためのものではない。

関係の入口をつくるためのものだ。

たとえば、「きれい」という言葉。

海を見て「きれい」と言う。
空を見て「きれい」と言う。

でも、その「きれい」は、同じではない。

言葉は同じでも、
指しているものは少しずつ違う。

それでも、人は通じ合える。

完全に一致していなくても、
だいたいの方向が合っていれば、関係は成立する。

もし、すべてを正確に言葉にしようとしたら、
会話はとても重くなる。

言い間違えないように。
誤解されないように。
正しく伝わるように。

そのうち、話すこと自体が難しくなる。

だから、少し曖昧なままでいい。

言葉は、固定するためではなく、
少しずらしながら、関係をつなぐためにある。

HARMONEERは、
正しい言葉を探すためのものではない。

言葉を通して、
関係を感じるための考え方だ。

今日、誰かと話すとき。

少しだけ、正確さを手放してみる。

少しのズレを、そのままにしておく。

そこに、関係が生まれることもある。