マボロシと生きる 第17回:成長は「脱皮」に近い

成長というと、
何かを積み重ねていくイメージがある。

できることが増え、
前よりも上手くなる。

それは確かに一つの側面だ。

しかし、
別の見方もある。

昆虫は成長するとき、
外側の殻を脱ぎ捨てる。

古い身体のままでは、
それ以上大きくなれないからだ。

このとき、
一時的にとても無防備になる。

守っていたものを、
手放す必要がある。

人間も似たことをしている。

今まで通用していた考え方が、
急に通用しなくなる瞬間がある。

そのとき人は、
「間違っていた」と気づく。

それは知識が増えたというより、
前提が壊れた状態に近い。

成長とは、
積み上げることだけではない。

一度壊し、
新しく組み替えること。

その不安定さを通過したとき、
はじめて次の形が立ち上がる。