マボロシと生きる 第5回:現実は他人によって立ち上がる

一人で計画を立てていると、
すべてがうまくいくように思える。

時間通りに進み、
問題も起きない。

しかし、
誰かと一緒に動き始めると、
途端にズレが生まれる。

連絡が遅れる。

認識が違う。

思った通りに進まない。

ここで初めて、
「現実」が立ち上がる。

自分ひとりの世界では、
すべてが想像の中で完結する。

しかし他人は、
自分の都合に従わない。

その不一致が、
世界に輪郭を与える。

だから「現実は厳しい」というより、
「他人は厳しい」と言った方が、
実感に近いのかもしれない。

他人との関わりは面倒だ。

しかしそれがなければ、
現実とも接続できない。

人は、
他人を通して現実を知る。

その不自由さの中で、
世界は形を持つ。