マボロシと生きる 第7回:フィクションが現実を支えている

久しぶりに会った人に、
「元気そうだね」と言う。

本当の状態は分からない。

それでも、その一言で
会話は成立する。

人は、
現実をそのまま扱うことができない。

情報が多すぎるからだ。

だから意味を与え、
物語として理解する。

それは厳密には、
事実とは違うかもしれない。

しかし、そのフィクションがなければ、
世界は断片のままになる。

人は真実だけでは生きられない。

少しの物語があるから、
関係が続く。

フィクションとは、
現実の代替ではなく、
現実を支える仕組みなのかもしれない。