マボロシと生きる 第20回:マボロシとどう生きるか

ここまで見てきたように、
人は現実そのものを生きているわけではない。

意味を与え、
解釈しながら世界を理解している。

言葉も、
価値も、
関係も、

すべてはどこかで
作られたものだ。

それをマボロシと呼ぶこともできる。

しかし、
それは嘘という意味ではない。

むしろ、
それがなければ生きられない。

完全な現実を、
そのまま扱うことはできないからだ。

重要なのは、
マボロシを持つことではない。

それを絶対だと思い込むことだ。

使いながら、
囚われない。

信じながら、
疑う余地を残す。

その距離感の中で、
人は現実と向き合っていく。

マボロシは消せない。

しかし、
扱い方は変えられる。

それが、
現実と付き合うということなのかもしれない。