家って、不思議ですよね。
「マイホーム」という言葉だけ聞くと、
なんとなく似たようなイメージを思い浮かべるのに、
実際に建っているものを見ると、全部バラバラです。
坂の途中にある家もあれば、
細い路地の奥にねじ込まれるように建っている家もある。
隣の建物との距離、日当たり、風の抜け方。
住む人の家族構成や、予算や、好み。
同じ「家」なのに、
出来上がる形は、まるで別の生き物みたいです。
これ、建築の話に見えて、
実は言葉の話なんですよね。
言葉も、本当は粘土みたいなものです。
最初から意味がカチッと決まっているわけではなくて、
状況や関係性に合わせて、
ぐにゃっと形を変えながら、その場で意味が立ち上がる。
むしろ、辞書に載っている意味のほうが、
一度固まってしまった「完成品」に近い。
ケーキとか、砂糖菓子みたいなものです。
きれいに整っているけど、
もう一度こね直すことは前提にされていない。
でも、実際の会話は違います。
会議でも、商談でも、家庭でもそうですが、
最初から同じ意味を共有できていることなんて、ほとんどない。
「優先度が高い」
「できるだけ早く」
「いい感じに」
こういう言葉って、一見わかるようで、
人によって全然違う形をしています。
だから、ここで重要になるのは、
完成された言葉を投げることではなくて、
一緒に“こねる”ことなんですよね。
つまり、こういうことです。
言葉を「完成品」として扱うのではなく、
「素材」として扱う。
相手がどういう前提で受け取っているのかを見ながら、
少しずつ形を整えていく。
「それって、こういう意味で合ってますか?」
「この“早く”って、今日中ですか?今週中ですか?」
面倒に見えるこの作業が、
実は、意味のズレを最小化する一番の近道だったりします。
建築も同じで、
いきなり理想の完成形を置こうとすると、うまくいかない。
土地の傾きや、周囲の環境に合わせて、
何度も設計を引き直して、微調整していく。
言葉も、それと同じです。
ハルオ的に言うとですね。
「意味が通じない」のは、失敗じゃなくて、
まだ粘土が固まってないだけです。
だったら、もう一度こねればいい。
少し水を足して、
相手と一緒に形を作り直す。
それだけの話なんですよね。